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  • 「経験に基づく」ハローワークに行きそうになった時に誤解しないためのポイント(その2)

    — 実体験から学んだ「失業給付と手続きのコツ」 — こんにちは。前回に続き、私自身の経験をもとにハローワークに関する気をつけたいポイントをお伝えします。 1.失業給付を受けながら働けるのか まず大事なポイントのひとつ目は、“失業給付の受給期間だからといって完全に働けないわけではない”ということです。私も最初は「受給期間中はアルバイトすら一切できない」と誤解していましたが、実際には週の労働時間が原則20時間未満であれば就労は可能です。ただし注意点があります。就労した日は、その日分の失業給付が日割りで減額・不支給になるため、働く日と休む日を含めた収入の合計で不利益にならないかを事前に計算しておく必要があります。 私の場合、動物専門学校で非常勤講師をしていましたが、週20時間未満に収まる働き方だったため、非常勤講師のある日は日割りで給付が減るものの、それ以外の日は失業給付を受けられ、トータルで助かった経験があります。就労する際は必ずハローワークに申告し、支給の調整ルールを確認してください。 2.雇用保険の未加入が後から発覚した場合の対応 雇用保険の未加入が後から発覚した場合の対応です。私の場合、退職後にハローワークを訪問して初めて自分が雇用保険に加入されていなかったことを知りました。法的には雇用保険への加入は事業主の義務であり、未加入は違法ですが、現実には未加入のままで放置されるケースが稀にあります。 幸いにも、ハローワークに相談すると事実確認が行われ、必要に応じて事業主に対してさかのぼって保険料を納めるよう求める手続きが進められます。これにより、過去の被保険期間が遡及され、受給資格が認められることがあります。併せて「年金定期便」や過去の給与明細を普段から確認・保管しておくことを強くおすすめします。もし会社が倒産しているなど、事業主に請求できない事情がある場合は、手続きが複雑になるため早めにハローワークや年金事務所に相談してください。 3.給与未払いがある場合の「離職の扱い」 最後に、給与未払いがある場合の「離職の扱い」についてです。給与の未払いが続くと、従業員が自ら退職する場合でも「会社都合退職」と同様の扱いが認められることがあります。一般的には未払い給与が一定期間(2か月)継続しているなどの事情があれば、ハローワークで事実確認のうえ会社都合扱いとなるケースがあるため、未払いがあると感じたら証拠となる給与明細や振込記録を保存し、ハローワークや労働基準監督署に相談することが重要です。会社都合と認められると、失業給付の受給開始が早くなったり、国民健康保険の軽減措置が受けられる可能性があるなど、経済的な負担が軽くなる点が大きなメリットです。 まとめると、失業給付と就労の関係、雇用保険未加入や給与未払いの発覚時の対応は、いずれも「早めに確認・相談する」ことで被害や不利益を小さくできます。特に、書類の保管(給与明細、雇用契約書、振込履歴など)を日頃から行っておくことも、後々大きな助けになります。

  • 「経験に基づく」ハローワークに行きそうになった時に誤解しないためのポイント(その1)

    — 体験から学んだ「退職関係の基本」と気をつけたいポイント — こんにちは。今日は、私自身が「ハローワークに行くことになった」ときに調べて整理したことを、体験ベースで共有します。テーマは、失業給付(いわゆる失業保険)の下準備と退職後の健康保険です。結論から言うと、いくつかの“勘違いポイント”を正しておくだけで、判断がかなりラクになります。 ________________________________________ 1.「6か月加入していれば受給できる」の誤解—受給要件はケースで異なる まず、私が最初に引っかかったのが「失業給付を受けるには6か月以上の雇用保険加入が必要」という思い込みでした。実はこれは一部のケースに限った要件です。原則は次のとおりです。 • 原則:離職日の前2年以内に通算12か月以上の“被保険者期間”が必要。 • 例外(会社都合の離職や契約満了など):離職日の前1年以内に通算6か月以上の被保険者期間があれば可。 ここで言う“通算”は、前職・現職の加入期間を合算できるという意味です。私の場合、前職で長年雇用保険に加入していたので、新しい職場で「6か月働いてからでないと受給資格がない」と待つ必要はありませんでした。なお、**1か月のカウントは「賃金支払いの基礎日数が11日以上(または80時間以上)ある月」**が基準です。詳しい定義は厚労省の案内が明快なので、一度目を通しておくと安心です。 私は長年働いていた会社を3月に退職し、4月から別の会社で仕事を始めました。4月から働き始めた会社を退職するかもしれない、と思い始めた際に色々調べた結果、「最低でも6か月勤務していないと失業給付が受け取れない」との文言から、てっきり9月末までは働かないといけないのだ、と思い込んでいました。しかし、実際のところは、前職での勤務、雇用保険の加入期間も合算されるため、9月末まで待たずとも、すぐに退職して大丈夫だったのです。 ________________________________________ 2. 受給開始までの“タイムライン”を正しく知る 受給の流れには、共通の待期7日と、離職理由によって変わる給付制限があります。 • 待期(7日):離職票の提出と求職申込みをしてから通算7日間は、理由に関係なく支給されません(全員共通)。 • 給付制限: o 自己都合退職 … 原則1か月の給付制限(※2025年4月1日以降の退職は2か月→1か月に短縮)。 o 会社都合退職 … 給付制限なし(待期7日が明ければ支給対象へ)。 この**「1か月短縮」**は最近の改定なので、「自己都合は2〜3か月待つ」という昔の記憶で動かないようにご注意ください。 自己都合退職か会社都合退職かは、色々な部分に影響を及ぼすポイントになります。私の場合、賃金の未払いがあり、退職の理由としては完全に会社都合退職に当たるのですが、それでも自分から「会社を辞めます」と宣言すると、自己都合退職に該当してしまう、危険がありました。しかし、ある条件をクリアできれば、会社都合退職になります。この部分については次回「その2」で詳しく記載させて頂きます。 ________________________________________ 3. 退職後の健康保険は「任意継続」か「国保か」で損益が変わる 退職後の医療保険は、主に二択です。 1. 会社の健康保険を任意継続(最長2年) 在職中は会社が保険料の半分を負担していましたが、任意継続は全額自己負担になります。標準報酬や組合の平均報酬を基に計算され、在職時より支出が増えるケースが多いので、国保との比較が必須です。 2. 市区町村の国民健康保険(国保)に加入 ここで覚えておきたいのが、「非自発的失業者(会社都合・雇止め等)」は保険料が軽減される制度があること。対象となる場合、給与所得を30%として計算する扱いになり、保険料(税)が実質的に大きく下がる自治体が多いです(適用期間や細部は自治体ごとに異なるため、必ずお住まいの市区町村でご確認ください)。 自己都合退職だとこの軽減の対象外になりやすく、会社都合退職なら適用されやすい、という違いが家計に効いてきます。 これは私は退職した後に知った事実でした。私の場合は最終的に「会社都合退職」であったため、この点は本当に助けられました。サラリーマンをしていると気づかないと思いますが、健康保険の保険料は非常に大きな支出です。この点が減免されたおかげで、私は今なんとか生活できていると言っても過言ではないくらいです。 ________________________________________ 4. まとめ—迷ったら「条件の見える化」と「早めの相談」 • 受給要件は“12か月(原則)/6か月(例外)”が基本。加入期間は通算できる。 • 受給開始までは、待期7日+(自己都合なら)給付制限1か月(2025年4月1日以降)。 • 健康保険は、任意継続(全額自己負担)と国保を費用で比較。会社都合離職なら国保の軽減を必ず確認。 私自身、最初は「新しい職場で6か月働かないと、受給資格はない」と勘違いしていました。実際には前職の加入歴も通算でき、判断の幅が広がりました。制度は時期や自治体で細部が変わることもあります。迷ったら、ハローワークと市区町村の窓口で早めに確認するのが一番の近道です。 ________________________________________ 番外編.ハローワーク豆知識 ハローワーク訪問のタイミングの工夫についてです。ハローワークは「退職が集中する時期」や「月のはじめ」に極端に混み合います。年度末、四半期の切れ目、月末→翌月初めといったタイミングは窓口や待合が大変混雑するので、可能なら避ける方が手続きがスムーズです。受給手続きでは原則4週間に1回ハローワークへ出向く必要があるため、初回の申請を月の中旬に設定しておけば、その後の4週間サイクルも比較的混雑の少ない日程で回しやすくなります。各窓口は地域によって予約制を導入していたり、混雑状況をウェブで案内していることもあるので、事前にホームページで確認すると効率的です。

  • 中小の動物病院で獣医師に長く勤務してもらうための方法 —新人と経験者、それぞれへの実践策

    はじめに 前回の記事では、獣医師の採用を「学び重視型(卒後まもない層)」と「働き方重視型(一定の経験がある層)」に分けて考える重要性をお伝えしました。今回はその続編として、動物病院で獣医師に長く勤務してもらうための方法を、同じ二つの視点から掘り下げます。結論から言えば、定着の鍵は「教育への投資」と「働きやすさの設計」を両輪で回すことにあります。売り手市場が続く今、採用コストを外部に払い続けるよりも、自院の教育力と職場環境を磨くことが、長期的には最も確実で、病院にとって費用対効果の高い打ち手になります。 「学び重視型(卒後まもない層)」 まず、卒後間もない獣医師についてです。彼らの最大の関心は、知識と経験の獲得です。どれほど院内の雰囲気が良くても、2~3年で次の環境に挑戦したいと考える人は少なくありません。これは病院側の努力不足というより、キャリア初期の自然な志向です。したがって、経営者は「いつかは旅立つ」という前提で人員計画を立てる必要があります。そのうえで、教育に消極的になってしまうと、病院にとって致命的な機会損失になります。なぜなら、採用市場では「学べる場」こそが最大の魅力であり、院内での症例検討・OJT・メンター制度、さらに学会や研究会での発表機会の有無が、応募の意思決定に直結するからです。 採用コストの観点からも、教育投資は理にかないます。たとえば、人材紹介エージェント経由で1名採用するたびに数百万円の手数料が発生し、それが2~3年ごとに繰り返されれば、固定費のように積み上がります。これに対して、院内の教育のために年間100万円程度を投じ、若手に発表の機会を与え、症例の学びを体系化すれば、その内容自体が病院のブランド資産になります。たとえ若手が次のステージに進んでも、「育ててもらった」という好意的な印象と発信された実績は残り、結果として新しい応募が自院へ自然と流入する——この好循環を作れます。インターナルマーケティングの発想でいえば、従業員満足の向上が顧客満足を高め、口コミや評判の改善を通じて再び人材と患者を呼び込むのです。 教育の仕組みは「人の善意」に頼りすぎないことが重要です。実務では、メンターを明確に任命し、到達目標と評価軸を事前に共有します。新人が迷いやすいのは、指導医によって方針が食い違うときです。まずは一人の主担当メンターが基本方針を定め、応用や別解はケースディスカッションで広げる、という順序を徹底します。指導時間は勤務時間として正式に確保し、メンターには相応のインセンティブを用意します。これは特別なことではなく、一般企業ではすでに標準化されている人材育成の手順です。さらに、院外発表を奨励し、演題選定からスライド作成、査読対応までの支援を院内で標準プロセス化すると、教育は一段と加速します。若手は「学んだことを社会に発信できる」場を持つことで、病院へのロイヤリティが高まり、たとえ転職しても良好な関係性を保ったまま巣立っていきます。残るのは、病院に蓄積される知見と評判です。 「働き方重視型(一定の経験がある層)」 次に、一定の経験を積んだ獣医師の定着について考えます。彼らは結婚や子育て、介護など、仕事以外の責任を抱えやすいライフステージにあります。勉強や症例経験を積む意欲は保ちながらも、時間資源が限られることを自覚しているため、求めるものは「働きやすさ」と「収入の安定・予見可能性」です。ここで病院がすべきは、条件の明確化と柔軟性の設計です。週3~4日の固定勤務、短時間正社員、オンコール免除枠、残業方針の明示、評価と報酬の連動ルールなどを、最初から数字で提示します。これがあるだけで、経験者は安心して長く働ける土台を見出します。院長の人柄や院内の人間関係、忙しい中でも学べる最小限の仕組みが整っていれば、彼らは病院の「要」となり、ノウハウの継承者として機能します。新人教育の担い手にもなってくれるため、採用から育成までの一連の流れが院内で完結しやすくなります。 要するに、若手には「学びの設計図」を、経験者には「働きやすさの設計図」を提示することが、定着率を押し上げる最短経路です。具体的には、教育係の任命と権限付与、指導時間の制度化、メンターへのインセンティブ設計、到達目標の可視化、院外発表支援の標準化、勤務条件と評価基準の明文化——この一連を“仕組み”として回すことがポイントになります。こうして育った若手は、たとえ別の病院に進んでも好意的な評判を残し、経験者は院の中核として残り、新人を育てる。結果として、外部エージェントに依存せずとも、応募が集まり、育成が回り、定着が強くなるという循環が生まれます。 経営判断の要 最後に、経営判断として強調したいのは、コストの使い途です。人材紹介エージェントの手数料に継続的に資金を投じるのか、それとも教育と職場環境の改善に同額を投じるのか。短期的な人手不足の解消だけを追うと、将来にわたる出費は固定化します。一方で、教育と働きやすさに振り向ければ、病院の実力そのものが底上げされ、患者サービスの質も向上します。その積み重ねが、採用・定着・評判の三位一体の成果となって返ってきます。売り手市場のいまこそ、外部コストを内部資産に変える転換点です。自院の強みを磨き、学びと働きやすさを両立させる仕組みを整えれば、獣医師が自然と集まり、そして長く働き続ける病院へと確実に近づくと私は考えます。 動物病院における人材育成研修や、学会・研究会での発表、論文投稿といった取り組みをサポートすることが可能です。さらに、経営に関するご相談にも対応しております。ご興味をお持ちの方は、ぜひホームページまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

  • 動物病院業界の財務分析指標

    業種別審査事典という本があるのはご存知でしょうか。今日はその中から、動物病院業界の財務指標について簡単にご紹介したいと思います。(出典:第15次業種別審査事典)動物病院の経営がどのような状態にあるのか、1つの指標になると思います。 まずは貸借対照表から。 2022年動物病院806件の平均データです。 単位:千円 全企業 黒字企業 全企業 黒字企業 流動資産 39,919 49,386 流動負債 16,579 18,511 固定資産 53,101 62,527 固定負債 34,833 37,538 純資産 41,694 55,973 総資産 93,108 112,022 動物病院業界は純資産は増加傾向であり、企業数や平均従業員数も増加しているのが特徴です。 次は損益計算書を見てみましょう。 単位:千円 全企業 黒字企業 売上高 102,163 119,619 売上原価 28,217 32,623 売上総利益 73,945 86,995 販売費・一般管理費 68,487 78,072 営業利益 5,457 8,922 経常利益 6,567 10,169 税引前当期純利益 6,117 10,157 売上高も基本的には増加傾向にあるようですので、業界全体としては成長が堅調に推移していると考えて良さそうです。動物病院業界の特徴として、設備投資負担が大きくなりやすい傾向があり、過剰投資に注意が必要です。経営体力や収益力に見合う投資かどうか見極めることが重要です。 B/SやP/Lは病院の規模によって値が大きく変わりますので、次に代表的な経営分析指標を見てみます。これらの値は規模による影響を大きく受けませんので、病院の経営状態を評価する良い指標になると思います。 全企業 黒字企業 総資本営業利益率(%) 5.9 8.0 売上高営業利益率(%) 5.3 7.5 総資本回転率(回) 1.1 1.1 1人当たり売上高(千円) 11,697 12,201 自己資本比率(%) 44.8 50.0 流動比率(%) 197.0 222.0 損益分岐点売上高(千円) 93,259 105,828 売上高営業利益率などは経営状態を簡便に評価する良い指標になると思いますので、ご参考になさってください。 第15次業種別審査事典に記載されている経営改善のポイントとしては ①情報発信 ②M&A ③SDGs ④DX が記載されています。どの業界にも共通するポイントだとは思いますが、当たり前のことを確実に実行していくことがとても大事なことなのだろうと、改めて思いました。

  • 中小の動物病院が獣医師を採用するには 

    —「学び重視型」と「働き方重視型」の2タイプで考える— いま、獣医師採用が難しい理由 動物病院業界では、獣医師の採用に悩む経営者が増えています。かつては自院のホームページで求人を出せば応募がありましたが、現在は人材紹介エージェント経由の採用が主流になり、中小の動物病院ほど採用が難しくなりました。 本記事では、エージェントに過度に依存せず、自院の魅力を高めて獣医師を確保するための考え方を、私自身が獣医師の視点から整理してお伝えします。 求職者は大きく「2タイプ」 獣医師が動物病院を選ぶ基準は、主に次の2つのパターンに分かれます。 1)学び重視型(卒後まもない時期) 目的:知識・技術の習得、経験を積むこと 重視点:症例の多様性、教育体制、指導・フィードバック、学会発表の機会 比較的重視しない:初期の給与水準、細かなシフト条件 この段階では、給与や勤務時間よりも「いかに多くの知識や経験を得られるか」が重要な判断材料となります。幅広い症例を経験できるか、指導体制が整っているか、学会や研究会への参加や発表の機会があるかといった点が魅力になり、応募の動機につながります。病院としては、実際に学べる環境を可視化して示すことが大切です。例えば、症例数や得意分野を具体的に示したり、先輩獣医師がどのように指導しているかを紹介したりすることです。また、学会や研究会での発表実績を発信することも効果的です。こうした実績は「ここで働けば成長できる」という安心感を与えるだけでなく、病院自体のPRにもつながります。 2)働き方重視型(経験者・家庭持ちなど) 目的:安定した働き方と収入、裁量・専門性の活かし方 重視点:勤務時間・日数・給与・オンコール体制・残業の有無、柔軟なシフト 比較的重視しない:基礎的な教育(すでに自学自習で補える領域) この段階では、勤務日数や勤務時間、給与といった条件面が最優先されます。もちろんすべての病院が高額な給与を提示できるわけではありませんが、その場合でも勤務時間や日数に柔軟性を持たせることで魅力を高めることが可能です。たとえば、週三日の勤務や短時間正社員制度、オンコール免除といった働き方を提案することによって、求職者にとって「自分の生活に合った働き方ができる病院」と感じてもらえます。また、給与や勤務条件については、曖昧にせず数字で明示することが信頼につながります。 タイプ別アプローチ A. 学び重視型への訴求 ポイントは「ここでどれだけ成長できるか」を具体的に見せること。 学べる環境を“可視化”する 週次カンファレンス、症例検討会、OJTの流れ 先輩獣医師の指導体制(メンターの担当制・評価とフィードバック頻度) 学会・研究会での発表実績を紹介 自院の採用ページを充実させ、症例や教育体制、勤務条件などを具体的に紹介することが欠かせません。見学や実習を常時受け入れる体制を整えれば、病院の雰囲気を実際に感じてもらえるため、応募につながりやすくなります。さらに、学会や研究会での活動を積極的に発信することも有効です。 B. 働き方重視型への訴求 ポイントは「条件のわかりやすさ」と「柔軟性」。 柔軟な勤務設計 週3~4日勤務、短時間正社員、時短・固定シフト、オンコール免除枠 夕方まで勤務/土日どちらか休み等、生活リズムに合わせた選択肢 報酬と評価の透明化 固定給+インセンティブ(手術件数、売上割合、指導・発表貢献など) 残業代支給の方針、有給取得率、賞与基準の明記 「短時間でしっかり稼げる」モデルの提示することが重要です。仕事以外の様々なライフイベントが重なる時期ですので、そういった方々の気持ちに寄り添える環境が整っていることをアピールすることが大切になります。また、条件提示は最初から正直に行い、数字でしっかり示しておきましょう。最初から条件を示すことで他所と比較されることが懸念されますが、この部分を曖昧にしておくと、そもそも病院を選んでもらえないことになってしまいます。 エージェントに頼らず採用力を上げる 若手獣医師には「ここでどれだけ学べるか」という成長の設計図を示し、経験者には「生活に合った柔軟な働き方ができる」という条件を明示することが大切です。中小の動物病院であっても、この二つの方向性を意識した工夫を行えば、新しい人材を確保する道は十分に開けてきます。 学会・研究会での発表実績の発信は、学びの場としての魅力と病院PRの両立に大変有効です。また、勤務日数・時間の柔軟設計や「短時間で収入を得やすい枠」の用意は、経験者層の関心を高めることにつながります。待ちの姿勢ではなく、積極的な情報発信によって、獣医師採用に結びつくことを願っています。 次回は、「獣医師に長く働いてもらうための定着・育成の仕組み」について掘り下げます。引き続きご覧ください。

  • 働くスタッフが迷子になっていると感じることはありませんか?

    これは多くの場合、それはスタッフ自身が日々の仕事で何をすればよいのか分からなくなっている状態です。私自身もかつて働いていた職場で、同じような経験をしました。毎日働いてはいるものの、自分の仕事が組織の中でどのような役割を果たしているのか、自分の業務がどのように世の中に貢献しているのかが全く分からない状態でした。 このような状態が生じる大きな要因の一つに、会社や組織がスタッフに組織目標を明確に伝えられていない、または理解させられていないことが挙げられます。組織のビジョンや目標が伝わっていなければ、スタッフは何を基準に仕事を進めていけば良いのか分からず、迷子のような状態になってしまいます。分かりやすい例としては、船の船長が目的地を定めずに、「よし!みんなとりあえず海に出て頑張って進んでいこう!」と言っている状態です。 組織目標をスタッフにしっかりと伝達し、その目標を踏まえてスタッフが自らの目標を設定し、日々の業務に取り組むことが重要です。これは一見当たり前のように思えるかもしれませんが、実際には十分に実践されていないケースが少なくありません。 組織目標を定めることは、会社や組織の成長にとって不可欠ですが、それだけではなく、スタッフ自身の仕事へのモチベーションを高めるためにも非常に重要です。目標が明確になり、自分の仕事が組織全体や社会にとってどのような意味を持つのかが理解できるようになれば、スタッフはより主体的に業務に取り組むことができます。 したがって、経営者や管理職の方々は、組織目標を明確にし、それをスタッフに適切に伝えることを意識することが大切です。スタッフが迷子にならず、やりがいを持って働ける環境を整えることが、組織の成長にもつながるのです。

  • モヤモヤを形にするお手伝いをします

    事業を運営していると、「こうしたい」という漠然としたアイデアはあるものの、それをどのように実現すればよいのか、あるいはその考えが本当に最適な解決策なのか、自信を持って判断できないことがあると思います。そうした悩みを抱えたまま、日々の業務に追われ、つい後回しにしてしまうことも少なくありません。 私は、そうした事業主の皆様の頭の中にあるモヤモヤを整理し、具体的な形にするお手伝いをいたします。 例えば、企業の理念やビジョンを明確にし、それを社内で共有できる形にすることで、組織全体の方向性を統一することが可能になります。また、事業計画や経営戦略の策定をサポートし、会社の成長に向けた具体的な道筋を描くこともできます。 さらに、従業員の年間目標を設定し、育成方針を明確にすることで、社員の業務に対するモチベーション向上やスキルアップにもつなげることができます。組織全体の共通認識を持つことで、経営の一体感が生まれ、より強い組織づくりが実現できます。 まずは、皆様が抱えている課題やお考えをお聞かせください。そのモヤモヤを解消し、具体的な形にするためのお手伝いをさせていただきます。

  • ゾウの気持ち

    動物園で働いていた頃、ゾウの心拍数をリアルタイムで計測する研究を行いました。もとは人間用ですが、動物の体に付着させて心拍数を計測する器具を企業からお借りして実験を行いました。 その結果、ゾウの心拍数は周囲の状況に大きく影響を受けることがわかりました。 たとえば、私が注射針を持ってゾウに近づくと、心拍数が急激に上昇します。しかし、採血を行い、針を抜いた後に止血をしている間は心拍数が下がり、その後、私がその場を離れるまで心拍数が低い状態が続くことが確認されました。 また、レントゲン撮影の際にも同様 の傾向が見られました。撮影機材の準備をしている間、ゾウの心拍数は大きく上昇しましたが、撮影が終わり、私たちが撤収すると、再び心拍数が落ち着くのです。 この研究から、ゾウは周囲の人間が「自分に何かをしようとしている」ことを察知し、それが痛みや不快感を伴う可能性がある場合、心拍数が上昇し緊張していることがわかりました。 ゾウの健康管理や福祉を考える上で、彼らのストレス反応を理解することは非常に重要です。今後もこうした研究を活かし、よりストレスの少ない環境を整えることが求められます。

  • 横浜のタヌキの疥癬

    今回は下記の論文の概要をご紹介します。 Epidemiology of sarcoptic mange in free-ranging raccoon dogs (Nyctereutes procyonoides) in Yokohama, Japan. Veterinary Parasitology: 2013, Jan16;191(1-2):102-7. 横浜、横須賀、三浦、鎌倉、葉山、逗子などの地域に生息するタヌキでは、寄生虫疾患である疥癬が広く蔓延しています。横浜市の動物園では1980年代から野生傷病鳥獣保護事業を行っており、その記録から1980年代後半から1990年代前半にかけてタヌキの保護件数が急増したことが分かりました。当初は交通事故が主な理由でしたが、1990年代前半以降は疥癬による保護が急増し、現在ではほぼすべてが疥癬に関連しています。この感染拡大は、まず鎌倉市で始まり、その後横浜市南部から北部へと広がりました。この背景には、タヌキの生息数増加や、住宅開発による生息地の縮小で密度が高まり、疥癬の感染爆発が起こった可能性が考えられます 。結果として、横浜市のほぼすべてのタヌキが疥癬に罹患する深刻な状況となっています。

  • ヒューマンエラー防止の重要性と動物飼育現場での対策

    動物園の飼育現場では、人によるヒューマンエラーが重大なリスクを招くことがあります。例えば、獣舎の鍵のかけ忘れやゲートの閉め忘れによって、動物の逸走や他者への危険が生じる可能性があります。これらの「うっかりミス」は誰にでも起こり得るものですが、その影響は深刻です。 こうしたリスクを最小限に抑えるために、いくつかの施策が有効です。一つは「指差呼称」の徹底です。作業ごとに手順を声に出し、指差し確認を行うことで、無意識のミスを防止します。もう一つは「チェックリスト」の活用です。作業前後に確認すべき項目を記載したリストを用い、手順を確実に実行する仕組みを整えることが重要です。また、定期的な研修やシミュレーション訓練を実施することで、緊急時の対応力も向上します。最も大切なことは、これらの事項を組織ぐるみで取り組めるようになることです。 ヒューマンエラーを完全に防ぐことは難しいですが、意識と仕組みを改善することで、大きな事故を未然に防ぐことが可能です。安全な飼育環境の維持は、動物と飼育員、そして来園者の安全を守る重要な要素です。

  • 事業計画書作成の重要性

    中小企業における事業計画書作成の重要性 中小企業にとって事業計画書は、単なる書類ではなく、経営を成功に導くための羅針盤です。特に変化の激しい現代社会では、適切な計画を立てることが企業の持続的成長に欠かせません。 事業計画書には、目標設定、マーケティング戦略、財務計画などが含まれます。これにより、企業の現状を把握し、将来の方向性を明確にできます。また、銀行や投資家への資金調達の際にも、説得力のある計画書が信頼を生み、交渉を有利に進める助けとなります。 さらに、計画書を作成するプロセス自体が経営者にとって貴重な学びの機会です。市場調査や競合分析を行うことで、経営課題を再認識し、新たな解決策を見出せることも多いです。 事業計画書は「作って終わり」ではありません。定期的に見直し、必要に応じて更新することで、環境の変化にも柔軟に対応できます。中小企業においては、計画的な経営が成功への第一歩です。 信頼と未来を築くために、事業計画書の作成をぜひ実践してください。

  • サイの研究論文の紹介

    Zoo Biology誌のweb記事より紹介です。「Exploring Serum Ferritin's Connection to the Acute Phase Response in Zoo-Managed African Rhinoceroses(動物園で管理されているアフリカサイにおける血清フェリチンと急性期反応の関係を探る)」という論文です。  血清フェリチンは体内の鉄分を貯蔵する指標、血清アミロイドA(SAA)は炎症反応時に増える物質、セルロプラスミン(Cp)は鉄代謝に関わるタンパク質です。本研究では、クロサイとシロサイを対象に、これらの関係を調査しました。クロサイではフェリチン濃度が健康状態や炎症反応と関連せず、急性炎症以外の原因で高値になる可能性が示されました。一方、Cpは健康状態の評価に有用とされ、動物の健康管理に役立つ可能性があります。  クロサイとシロサイの血清フェリチンとセルロプラスミン活性の相関に種特異的な違いが認められた点が興味深いです。特にクロサイにおいて、急性炎症以外の要因が高フェリチン濃度に影響を与えている可能性は、飼育環境や栄養状態など、より広範な要因を探る重要性を示唆しています。動物園動物の飼育・健康管理を考えるうえで、1つの指標になりそうです。

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